築38年の中古住宅を買うということ②
さて。
じゃあ、どうして私たち夫婦が中古住宅にこだわったのか。
一生、同じ家に住む?
もし、私たちが一生ここに住むんだ、もう絶対引っ越さない、
老後もずうっと同じ家に住むんだ、と決めたのだとしたら、
新築でもいいかもしれません。
今後何十年も住む、となったらそりゃあ、現段階ではより新しい設備の方がいいでしょうし、何十年も同じ場所、同じ家に住むと決めてしまえば、むしろ購入は早い方がいいのでしょう。早くローンを組んでしまえば、その分早く払い終わるのですから。
でも、本当に、一生、その土地に住む、その家に住むって、
20代、30代で決められるんでしょうか?
決めてしまって、いいんでしょうか?
そんな多額のローンを背負ってしまっていいんでしょうか?
それぞれの年齢、ライフステージでライフスタイルは変わって行きます。
それに今の時代、仕事や会社だって、ずっと同じとは限りません。
もし、学校が合わない、いじめにあってどうしても学校を変えたいなど、
子どもに万一の事態が起きたら?
一生に一回の買い物だと思って買った家の、
隣の家の人がたまたまおかしな人だったら?
静かな場所だと思って買ったのに、周りの環境が変わってしまったら?
地方に移住したくなったら?
転職したくなったら?
新築物件のメリット、プラスはいっぱいあります。
では、デメリットは?
そう。それは、新築は、買った瞬間に中古物件になる、ということ。
新築物件は、中古になった瞬間に価格が3割下がると言われています。
10年経てば、建物の価値はゼロになると言われているんです。
じゃあ、買って3年経った時に、どうしても引っ越さなくてはならなくなったら?
4000万で買った新築マンションを、数年後に売却することになったら
2800万円でしか売れないんです。
どんなに立派な最新設備があっても、
3年で1200万の損!
そんなばかな!
実際、新築を購入したことで、何かあっても売る決断ができずに、
パパだけが何年も単身赴任している、
子供がいじめにあっても引っ越すことができずにいる、
新しい挑戦をしたいと思っても、ローンを抱えているから
身動きが取れない・・・。
そんな事例をいくつか耳にしました。
私たち夫婦は、そういうリスクや、プラスの可能性(転職とか移住とか)を
考えると、どうしても新築を買う気にはなれませんでした。
じゃあ、賃貸でいいんじゃない?
そう。そうやって身動き取れなくなるのは嫌だ、と安定を拒む人は、
賃貸でいいのかもしれません。
私たち夫婦も最初はそう思って、長年賃貸に住んでいたのです。
でも、長年、毎月毎月家賃を払い続けていて、ふと疑問に思ったんです。
この家賃は、返ってこない・・・。
月10万としたら、年間120万の出費。
もちろん、家計が苦しければ家賃を下げるという手もあります。
でも、子どものためにも家の広さや、治安の良さ、などを考えると
家賃はそんなに下げれるものでありません。
(ここの価値観は人それぞれだと思いますが!)
私たちは結婚してから6年間が経過していたので、その時点で
120万✖️6=720万。
この720万は、返ってこないんです。
賃貸なんだから、当たり前?
住居費用は、仕方がない?
でも、もしかしたら、そうじゃないかもしれない。
そう思ったんです。
中古物件だったら、ローンが貯金になる!?
例えば、3500万円の 中古一軒家を購入したとします。
もう建物の価値は、その価格には含まれていないので、
3500万円=土地の価値
です。
もし、その土地の価格に変動さえなければ、
また売却することになったとしても、
また3500万円で売ることができるはずです。
リフォームに500万円程度かけたとしても、その費用は
賃貸に住んだときの経費を考えれば数年でもとが取れてしまいます。
もし10年間住むとしたら、後半5年間、支払った月々のローンは
売却すれば回収される、と考えたんです。
そう、永住というより、売却前提で購入する
そうすれば、売却した時点で、
また土地の価格分が自分のもとに帰ってくる・・・。
これが、賃貸に10年住んだときと決定的にちがう点です。
10年後、土地の値段がどうなってるか、なんて
だれにもわかりません。
もしかしたら、大幅に下落してるかもしれない。
でも、もしかしたら、変わらない、
どころか、上がってる可能性だって、なくはない。
だったら、その可能性にかけてみたい、
そう考えています。